あかん、何か変わったこと、違ったことをやらねば、毎日が同じ様子ばかりで息が詰まってしまう。退屈だ、退屈だ、ということで、ネクタイを巻いてみた。この世はクールビズ。今や東京都知事へと出世なされた時の環境大臣、小池百合子氏が提唱したクールビズ。たしかに、真夏のクソ暑い時期にネクタイ巻いて、上着を羽織って、何のメリットがあるのか意味分からんところを、見事にその悪しき慣習を打ち破ってくれたクールビズ。律儀に業者然とした振る舞いを貫き通している人たちを除けば、みなさん、涼し気な夏のビズを満喫しているのだろう。

そこで考えた。みんなと同じことをやってのけているから、毎日が退屈になってしまうのだと。やはりはみ出さねば退屈だ。あかん、あかん。もっともっとワイワイと世を盛り上げねばならん。そこでだ、このクソ暑い時期に、わざわざネクタイを巻いてみようと思った。車窓に映るノーネクタイの自分を見て、何かが足りないと感じたわけ。それが何かと熟考してみたところ、答えはネクタイだったのだ。

で、超意味のないこと。熱中症への危険が叫ばれる今の時期に、ネクタイを巻いてみるという無駄なことを継続している。さすがに同類の人間は、街ナカでほとんど目にしない。極度のアホと思われていること間違いなしであるが、それはそれで快感なのさ。ふふふん。

この世の中、意味のないことが多すぎる。たとえば、会社の定時システム。多忙な奴も暇な奴も、定時の間は会社におらねばならん。暇な奴は特段何もせず、インターネットでネットサーフィンなど楽しみながら、定められた定時という就業時間をやり過ごす。
就業時間の一時間前から多忙を極める予定を持った社員だって、始業時間から会社におらねばならず、多忙を極める時間までは、手持ち無沙汰で過ごす。そして、多忙を極めた一時間を経た後、即座に残業タイムへと突入する。
まぁ、世の中の中小企業なんざ、残業代など払う気もないので、会社にとっちゃ、社員たちが何時から多忙を極めようが知ったこっちゃないだろうが、どうにも人生という有限の時間を浪費させるシステムに感じて堪らない。

もっと意味のないこと。それは、無能なクセに日本の麗しき年功序列システムの恩恵を受け、管理職や上層部へと昇り詰めただけのおっさんが言う「今の世の中、実力社会だからね」というセリフ。お前が言う実力社会というものが、本当にこの日本を席巻しているのなら、まずお前みたいなもんから順番に、不要のレッテルを貼られ切られていくだろうよ。それなのに、お前みたいなもんが、のほほんと上層部面して会社に鎮座できている時点で、まだまだ実力社会でもなんでもなく、とどのつまり、お前のその発言も何ら的を得てないということを、お前みたいなもんが身を持って証明してるんじゃあないの。

考えればこの日本、能力が高いから管理職に就く、なんてシビアなシステムは採用されていない。外資系のように、能力者が抜擢されて、管理職や経営陣の仲間入りするようなビジネス慣習は、日本の中小企業にはほとんどと言っていいくらいに、ない。だから、中小企業の上の方の人間は、「昔からおる人間」になる。会社側も「昔からおる人間」には、それ相応のポジションを用意してあげなければならず、必然的に「昔からおる人間」が、社内で地位や権力を手にしていくシステムになる。

それに加え、「昔からおる人間」というのは、今のスピード社会にまったくついて行けてない。要するに、今の時代には不要なオワコンだ。慈悲と慈愛を込めた褒め言葉で称するならば、もはや彼らはレガシーだ。
それに加えて「昔からおる人間」は、景気の良かった頃の給与体系も手伝って、一律、高給取りなわけ。にも関わらず、レガシーは今の時代についていけてないので、お金を稼ぐことはできない。何ら生産できない遺産が、会社にとって最も維持コストがかかる。我々下っ端は、レガシーを守るためだけに、身を粉にして働く。そのうえでだ、営業成績が足りないだの、仕事の効率が悪いだのとブーブー言われる。どうやら、レガシーの守り方がなっていないようだ。腹筋がちぎれるほど、おかしなことをおっしゃる。

今の世の中、もっと実力社会の様相を色濃くせねば、とてもじゃないけれど生存できない。そして、実力なき者は不要の運命は、当然のようにレガシーにも当てはまる。日本社会は、会社に鎮座するレガシーにも平等に、実力社会を適用すべきだ。それが社会全体の流れなんだから。たとえ、創業時から会社にいる社員だろうが、それを理由に保護されるほど、今の日本社会は裕福じゃあない。
どうせ、レガシーたちはその高い給与ゆえ、豊富で潤沢な貯蓄を持っていらっしゃることだろう。そのうえ、未だに高い給与を得続けられては、いつまでたっても若手にチャンスは来ないってなもんだ。
レガシーたちに本当に愛社スピリッツがあるならば、自分たちの報酬をカットし、若手たちに分配し、経済を効率的に回すほうに脳みそをシフトチェンジするべきだ。そうしなければ、経済は停滞し、逆三角形の日本の様相は変わる兆しを見せないだろう。端的にいうならば、「あんたらはもうお金持ってはるんやし、高給は放棄し、恵まれないキッズに分配せよ」である。
「俺たちも生きていかねばならないから」とこめかみに怒りマークを浮き立たせられるかもしれないな。でも、それは老いも若きも同じこと。日本がこんな状況になることを読めなかったあなた方の落ち度であり、日本を継続するためには必要な選択なのだから仕方がない。中小企業が生き残るためには、レガシーを壊してでも、新しい建物を建築する勇気を持ち、それを実行する必要があるはずだ。

やっと言いたいことの30%程度は言えたかもしれないが、ネクタイの野郎がどうにも暑くてたまらん。ここはサウナか? なんで俺の部屋には冷房がないんだ。悪の声が囁く。「ネクタイなんか、外しちゃいなよ!」と。すると隣にいる天使がこう囁いた。「ネクタイなんか、外しちゃいなよ!」。僕はどうやら、ひとりぼっちでこのバカな拘りを継続せねばならんようだ。

デタラメだもの。

20170717